だが、二人はボクの腕にしがみつくと、自分の方にぐいぐいと引き寄せようとする。
 右へ左へ、ボクの身体が揺れる……。

【暖 花】
「えへへっ! 円、こんな風に腕組んで歩くと、ほの達恋人みたいじゃな……♪ ほれ、一緒に学園行くぞ!」

【雪 菜】
「だーめ! ダーリンは私と一緒に行くんですのっ!」

【暖 花】
「なんじゃ姉じゃ? ヤキモチか? 醜い天使じゃのう〜♪」

【雪 菜】
「むっかぁ! ほのちゃんこそ、強欲悪魔のくせにたった1人の男の子に熱を上げるなんて、悪魔の風上にもおけませんわ!」

【暖 花】
「ほのは円で満足じゃ〜♪ 円、ほれほれ、ほのほどカワイイおなごを連れてる奴など他にいないぞ。 もっと周りに見せつけてやるといい」

 時折、自転車でうちの学園の生徒がすぐ側を通るのだが、ボクらをまるで珍獣でも見るかのような微妙な視線を送ってくる訳で……。

【 円 】
「ほ、暖花……ボク、死にたいよ」